排水管の油詰まりの解消法とは?原因や対処法、詰まらせないための予防法や掃除法について徹底解説!

この記事の監修者

有限会社安田製作所 代表取締役
東都住設協同組合 代表理事
安田 篤司
保有資格
- 建設業関連 監理技術者
- 管工事全般 1級管工事施工管理技士
-
ガス関連
ガス消費機器設置工事監督者
ガス可とう管接続工事監督者
日本ガス協会内管工事士 -
水まわり関連
給水装置工事主任技術者
排水設備工事責任技術者 - 電気関連 第二種電気工事士
普段からキッチンを使う中で、水の流れが悪くなったと感じたことはありませんか?その原因として考えられるのが「排水管の油詰まり」です。調理中に出た油や食べカスなどが少しずつたまっていく中で、排水管に油が付着していき、さまざまなトラブルに発展してしまいます。
本記事では、排水管の油詰まりの主な原因を中心に自分でできる対処法や、日常的にできる予防法などを解説していきます。

排水管の油詰まりの原因とは?
排水管における油詰まりの原因として大きく分けて3つの原因が挙げられます。本項目では、排水管の油詰まりの原因について解説します。
調理器具や食器の油汚れがたまる
調理後のフライパンや食器に残った油など、さまざまな部分に油は出ます。その油をそのまま水で流そうとすると、排水管の中で油が冷えて固まってしまい、排水管に付着してしまいます。これが油詰まりの原因です。
冬場は排水管の温度も低く、油がすぐに冷えて固まってしまいます。食材や石鹸のカスなどがこれに付着すると、詰まりの部分が大きくなっていきます。キッチンや台所を使用するうちに、油詰まりは自然と進行していくため、注意が必要です。
水だけでは落とせない
排水管に付着した油汚れは水の流れだけでは完璧に落とせません。多少は落とせても、根こそぎ落とすことは難しく、自然とたまっていきます。
本来は定期的に油汚れを落とすアイテムを活用していかないといけませんが、放置していると、段々と詰まりも大きくなり、大変な事態を招きかねません。「水を流しっぱなしにしておけば大丈夫!」と思っていても、実際には不十分です。
排水管の油詰まりがもたらす悪影響とは?
排水管の油詰まりは水が流れにくくならないと、なかなか気づけない症状と言えます。もしも排水管の油詰まりが起きたらどのような悪影響が出るか、皆さんはご存じでしょうか。本項目では、排水管の油詰まりがもたらす悪影響をまとめました。
排水機能が低下して逆流する可能性
油詰まりが起きることにより、排水管の幅が狭まり、排水機能が落ちてしまいます。詰まりが悪化すれば、水の流れはより悪くなり、最終的には逆流につながるのです。
自宅内部の排水管が詰まるだけでなく、下水管で油詰まりが起きるケースもあります。下水管で起きてしまった場合には周辺にも悪影響を及ぼしかねません。
悪臭が発生する
排水管の油詰まりを放置することで、排水管内にたまっている油脂が、食材や洗剤のカスと合わさって悪臭を発生させてしまいます。これらの成分が組み合わされることで微生物の分解が促進され、そのプロセスにおいて硫化水素やメタンガスなどが発生してしまいます。
結果的に悪臭となって排水口から逆流し、キッチンの臭いにつながってしまいます。また油汚れは雑菌の繁殖を促すため、排水管の中で微生物が増えやすく、何とも言えない嫌な臭いを発することがあるため、注意が必要です。
排水管の油詰まりを防ぐ対処法は?
排水管の油詰まりを防ぐには、とにかく油を排水管に流さないことが大前提です。では、排水管に油を流さない方法としてどのようなものがあるのか、皆さんはご存じでしょうか?本項目では、排水管に油を流さないで済む対処法をまとめました。
事前に油をふき取る
調理後のフライパンや食器に残った油汚れなど、このまま洗うと油が排水管に流れ出てしまいます。そこで洗う前にキッチンペーパーなどを活用してしっかりと油を拭き取っておくことが大切です。油を拭き取ったペーパーは燃えるごみで捨てれば問題ありません。
天ぷらで用いた油は凝固剤を用いて適切に処理をすればOKです。また牛乳パックに新聞紙やペーパータオルを詰めた状態で油を流し込み、その後自然発火を防ぐため、水を流し込んでから密閉することで、燃えるごみとして処分できます。
残したものは袋に入れる
盲点となり得るのは、食べ残しの食材などから出る油です。生ゴミとして三角コーナーに入れてしまうと、水切り袋から油が出てしまい、結果として排水管に油を流してしまう状況を生みます。
食べ残しが出た場合には袋に入れて、燃えるごみとして処分するのが確実です。この時、フライパンに残っている油を拭き取ったキッチンペーパーも一緒に入れておくと、食べ残しの食材から出た油を吸収してくれます。
排水管の油詰まりを解消する方法は?
排水管の油詰まりは、水の力だけでは完全に解消できないものの、物理的な方法を活用していくことで解消することができます。本項目では、排水管の油詰まりを解消する方法についてまとめました。
ラバーカップ(スッポン)の活用
排水管の油詰まりを解消するために活用できるのがラバーカップ(スッポン)です。排水口に密着させ、上下に動かすことで圧力を加えることで、油詰まりを解消させていきます。
比較的軽めの油詰まりに効果を発揮しやすく、簡単に活用できるのでおすすめです。ただし、トイレで使っているラバーカップを活用するのは避けましょう。ホームセンターで新しくラバーカップを購入するなど、できる限り台所専用のアイテムとして活用する必要があります。
お湯の活用
排水管の油詰まりは、お湯を使って解消することも可能です。油は一定の温度になると溶けやすくなる性質があるため、お湯を流すことで自然に詰まりを解消できる場合があります。
まず、シンクに半分以上お湯を溜めてから、一気に流します。水流の勢いとお湯の温度を利用して油を溶かし、詰まりを解消します。ただし、熱湯は排水管にダメージを与える可能性があるため、50度程度のお湯を使用することが推奨されます。
重曹とクエン酸の活用
油汚れに効果を発揮するものに重曹とクエン酸があります。油はアルカリ性に弱く、アルカリ性である重曹を用いることで、油詰まりに働き替えて分解を促すことができます。
重曹にクエン酸を加えることで、炭酸が発生し、より汚れを落としやすくなります。薬品を使って油詰まりをとることに不安を感じる方は重曹とクエン酸の活用がおすすめです。
排水管の油詰まりを起こさせない予防法は?
排水管の油詰まりを起こさせないためには、日頃から予防を心掛ける必要があります。本項目では油詰まりを起こさせない予防法をまとめました。
定期的に掃除を行う
油詰まりを予防するには、定期的に掃除を行い、油詰まりを未然に防ぐことをおすすめします。定期的にパイプクリーナーを活用して油詰まりを起こさせない状況を作るほか、重曹やクエン酸を定期的に投入して、詰まりを防いでいくことが大切です。
排水管の油詰まりは目には見えない場所で生じるため、気づいた時には油詰まりが生じて、大変な事態になっている可能性があります。大変な事態を招く前に手を打ち続けることで、きれいな状態を保ちやすくなります。
複数の方法を併用する
重曹とクエン酸の活用だけでなく、ラバーカップやお湯などさまざまな解消法が存在します。複数の解消法を併用していくことで、油詰まりが起きにくい状況を作り出せます。
1つだけでも不十分でも、複数の方法を組み合わせることで事態の打開につなげられます。他にもワイヤーブラシの活用や、ラバーカップの代用で使えるペットボトルなど、まだまだ油詰まりの解消アイテムがあるので、有事に備えて用意しておくのも大切です。
排水管の油詰まりは適切な措置で防げる!
排水管の油詰まりは、日頃のちょっとした工夫と定期的なケアで十分に防ぐことができます。調理器具や食器に付いた油に関しては、天ぷらを揚げる際に用いる油の量と比べれば少量ですが、日々料理を行う中で水で洗い流していけば、油詰まりは進行していきます。
水で流す前にキッチンペーパーなどで拭き取ることを日常のルーティンにするだけでも、排水管の油詰まりを防げるようになります。排水口にも目の細かいネットや油分吸着材を設置することで、油詰まりを食い止められます。その上で油詰まりを解消する方法を定期的に実践していき、きれいな状態を保ち続けることで、油詰まりで逆流を引き起こすような事態は避けられるでしょう。
結局大事なのは、日常の積み重ねであり、油汚れを拭き取るなどの手間をかけるだけでトラブルを未然に防ぎ、快適なキッチン環境を保てるようになるでしょう。
まとめ
排水管の油詰まりは、油をそのまま流さないで事前に拭き取る習慣をつけることで予防できます。加えて、重曹とクエン酸の活用など、予防策を実践していくことで対応できます。
一方で注意すべきなのは、無理やり油詰まりに対応することです。ワイヤーブラシのように物理的な方法で油詰まりに働きかけることはできるものの、排水管を傷つける恐れがあります。設備に負担をかけずに油詰まりを解消することは可能です。予防策や対処法を身につけ、油詰まりに適切に対処しましょう。
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