和式トイレのメリット・デメリット、歴史とは?洋式へのリフォームは必須?和式がなくならない理由についても解説!

この記事の監修者

有限会社安田製作所 代表取締役
東都住設協同組合 代表理事
安田 篤司
保有資格
- 建設業関連 監理技術者
- 管工事全般 1級管工事施工管理技士
-
ガス関連
ガス消費機器設置工事監督者
ガス可とう管接続工事監督者
日本ガス協会内管工事士 -
水まわり関連
給水装置工事主任技術者
排水設備工事責任技術者 - 電気関連 第二種電気工事士
昭和や平成の初期まで当たり前のようにあったのが和式トイレです。近年は和式トイレが姿を消し始め、和式トイレでは用を足せないという人も増えてきました。そんな和式トイレですが、さまざまな歴史があることをご存じでしょうか?
近年では、公共施設や家庭内でも和式トイレが減少し、洋式トイレへの移行が進んでいます。特に、ご家庭でのトイレ環境を見直し、より快適な空間へリフォームを検討する方も増えてきました。
本記事では、和式トイレのメリットやデメリット、歴史をはじめ、和式から洋式へのリフォームなどを解説していきます。

和式トイレの歴史
そもそも和式トイレはいつから存在するのか、気になっている方も多いのではないでしょうか。本項目では、和式トイレの歴史について解説していきます。
和式トイレは平安時代からあった?!
和式トイレは元々平安時代にあった樋箱がルーツとされています。樋箱は貴族など位の高い人が使っていたもので、軒下に用を足したものを処理できる箱があるのが特徴です。
樋箱には鳥居のような形をした衣かけがあり、ここに着物をかけることで汚さずに用を足せる仕組みになっています。この衣かけが金隠しに変化したと言われています。
よく知られる和式トイレは明治時代から

私たちがイメージする和式トイレといえば、陶器でできたものが印象的です。現在にも通じる和式トイレは明治時代に、便器に絵付けされた染付便器と呼ばれるものがルーツとされています。
便器の後ろ側にあった衣かけは、明治維新で洋服を着る人が増えたため、前側に移動し、金隠しとなっていきます。
和式トイレのメリットは?

和式トイレには和式トイレならではのメリットがいくつか存在します。その中でも代表的なメリットをまとめました。
衛生面
和式トイレのメリットは、衛生面です。和式トイレで用を足す場合、しゃがみ込むような形で用を足します。この時、便器に直接肌が触れるようなことはありません。洋式トイレの場合、どうしても肌が触れるため、人によっては中腰でないと用を足せないという人もいます。
その点、和式トイレは直接触れないため、便座へ座らずに済むのが大きなメリットと言えます。洋式トイレでわざわざ中腰で用を足すぐらいなら、和式トイレで用を足した方が何かと気楽と言えるでしょう。
健康面

和式トイレはしゃがみ込んで用を足すため、足腰がしっかりとしなければ、かなりきついでしょう。裏を返せば、和式トイレで用を足し続けることで足腰を鍛えることが可能です。
一方で、和式トイレで用を足すことにより、腹圧が高まりやすく用を足しやすくなる効果もあると言われています。なかなか出ない時に強く力んでしまい、それがきっかけで血管が切れて疾病を引き起こすケースもあるため、強く力まずに済むのはメリットの1つと言えます。
スペース面
和式トイレのメリットにはスペースがさほどいらない点が挙げられます。洋式トイレだとタンクがあり、場所を多少必要とします。その点、和式トイレはタンクは上部に置けばいいほか、レバーを前に設置すればすぐに流せます。
限られた空間にトイレを設置するとなると和式トイレの方が好都合です。また、和式トイレはシステムがシンプルであり、壊れにくい点も挙げられます。洋式トイレと比べると緊急時に強いのも特徴の1つです。
和式トイレのデメリットは?

和式トイレにもメリットがある一方、デメリットも存在します。本項目では、和式トイレのデメリットについて解説します。
身体への負担が大きくなる面もある
和式トイレのデメリットとして上がりやすいのが、身体への負担が大きい点です。しゃがみ込むには足腰の筋力が欠かせませんが、太っている方や高齢者、膝などをケガしている方にとってはかなりの負担になることは確かです。
バランスを崩して転んでしまうことも十分に考えられ、ケガにつながることも考えられます。また、障害を抱えていたり、お腹に赤ちゃんがいたりする方にとっても、リスクが伴います。洋式トイレは手すりさえあれば立ち上がりやすいですが、和式だとそれもきついため、デメリットと言えます。
別の衛生面のデメリット

肌に直接触れずに用を足せるのがメリットと言える一方、別の部分で衛生面に懸念点があるのも事実です。例えば、しゃがみ込んで用を足す際に跳ね返ってくる可能性があるほか、ズボンなどが便器に触れやすく、汚れやすい可能性もあります。
一方、不特定多数の人が利用すると周辺に飛び散りやすく、臭いもきつくて用を足せる状況ではないケースもあります。
使用し慣れていない人は用を足せない
洋式トイレの場合、ただ座ればいいため、仮に洋式トイレに不慣れな人がいたとしてもさほど問題にはなりません。ところが、和式トイレは使用し慣れていないと戸惑うことも多く、抵抗感を感じてしまい、和式では用を足せない人も出てきます。
特に子どもの場合は和式で1回も用を足したことがないケースがほとんどで、トイレトレーニングも和式ではしにくいのが実情です。欧米の外国人も和式トイレに慣れておらず、その点は大きなデメリットになり得ます。
和式トイレから洋式トイレへのリフォームは必須?

自宅に和式トイレしかない場合、洋式トイレへのリフォームをした方がいいのだろうかと考える方もいるはずです。公共施設だけでなく、ご家庭でも和式トイレが少なくなりつつあります。特に、古い住宅ではまだ和式トイレが残っていることも多く、「掃除のしやすさ」「お子さんや高齢者の使いやすさ」の点から、洋式トイレへのリフォームを検討する方が増えています。
リフォームが必要かどうか、結論から言いますと、リフォームする住居にどのような方がお住まいなのかで変わります。
例えば、介護を要する高齢者の方がいる場合、和式トイレはかなり大変です。足腰も弱り、転倒のリスクも高いため、用を足すのが厳しいほか、介助をしようにもトイレの内部は狭いため、介助も苦労します。介護保険を活用して洋式トイレへのリフォームもできるため、高齢者がいる場合には洋式トイレへのリフォームは必要と言えます。
一方で、現状和式トイレで何ら問題がないという方は無理に洋式トイレにリフォームをする必要はありません。ただし、ケガをした場合など、和式トイレだと苦労することもあります。その点を加味してリフォームの検討をしてみるのがおすすめです。
和式トイレがなくならない理由とは?
公共施設においても、新しい建物では和式トイレがほとんどないところが目立ちます。一方で、それでも学校からは和式トイレがなくならないように、和式トイレが存在するケースも少なくありません。ここからは、和式トイレがなくならない理由について解説します。
コストの問題
学校など、公共施設の中には和式トイレが複数設置されているケースもあります。いまだに和式トイレがある理由としてコストの問題が挙げられます。リフォームをしようにもお金がかかるため、後回しになってしまうのです。
公共施設に限らず、一般の住居においても同じことです。老朽化が進み、リフォームを必要とする際に、トイレが後回しになる可能性は十分にあります。
和式が好き
和式トイレと洋式トイレであれば、洋式トイレの方が用を足しやすい一方、和式トイレで用を足す方が好きという方も少なくありません。人によっては洋式トイレの便座の上でしゃがみ込む姿勢で用を足す人もいるほどです。
和式トイレで用を足すのが好きな人からすれば、わざわざリフォームをする必要はありません。好みの問題である以上、第三者が良し悪しを判断することはしにくいでしょう。
潔癖症の人がいる
洋式トイレの最大のデメリットは便座に直接肌が触れる点です。公共施設ではアルコール消毒ができるよう、トイレットペーパーにアルコールを吹きかける設備が備わっているケースもあります。一方で、一般の住居においてそこまでの配慮をするケースは少ないかもしれません。
潔癖症の方からすれば、和式トイレで用を足す方が気が楽であり、不安も消えやすくなります。そのため、和式トイレが完全にはなくならないのです。
和式トイレにも良さがあるが、総合的には洋式トイレがおすすめ!

和式トイレと洋式トイレ、それぞれに良さがあることはまぎれもない事実です。一方で、どちらにもデメリットがあり、和式トイレから洋式トイレへのリフォームは当然の流れと言えます。和式トイレと洋式トイレにはそれぞれメリットとデメリットがありますが、ご家庭での使いやすさや快適性を考えると、洋式トイレへのリフォームがおすすめです。最終的には洋式トイレの方がメリットが大きく、洋式トイレへのリフォームをおすすめします。
特に高齢者がいる世帯や子どもがいる世帯など、和式トイレで用を足すのが大変なケースに出くわしやすい場合、洋式トイレの方がさまざまな面で楽です。和式トイレで用を足すメリットもありますが、総合的に見ると洋式トイレの方がメリットは大きいでしょう。
洋式トイレへのリフォームは簡易的なものであれば、1日で終わるケースもあります。本格的に洋式トイレへのリフォームを行うこともできるので、まずは検討してみることをおすすめします。
まとめ
令和に入り、頑なに和式トイレのままにしていた学校でも、洋式トイレへのリフォームが進んでいます。インバウンドの外国人が増えている現状においては、できる限り洋式トイレへの切り替えを目指していくことが大切と言えます。
洋式トイレにリフォームをすると、衛生面はもちろん、健康面においてもメリットが大きく、ケガをしている時でも安心です。自動洗浄機能など衛生的に使いやすくなっており、和式から洋式へのリフォームを検討している方は、まずはいくらぐらいかかりそうなのか、プロに相談することをおすすめします。
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