ガスコンロの火が点かない!原因や対処方法、自分でできる解決策、コンロの交換費用や寿命まで解説!
この記事の監修者
有限会社安田製作所 代表取締役
東都住設協同組合 代表理事
安田 篤司
保有資格
- 建設業関連 監理技術者
- 管工事全般 1級管工事施工管理技士
-
ガス関連
ガス消費機器設置工事監督者
ガス可とう管接続工事監督者
日本ガス協会内管工事士 -
水まわり関連
給水装置工事主任技術者
排水設備工事責任技術者 - 電気関連 第二種電気工事士
家全体がオール電化というご家庭もある中、ガスコンロなどを用いるご家庭も当然存在します。ある日、突然ガスコンロが点かなくなるという経験をした方もいるのではないでしょうか。場合によってはさまざまなトラブルにつながるため、早急に対応をする必要があります。
本記事では、ガスコンロが点かないケースに着目し、点かない原因や想定されるトラブル、対処方法などを解説します。
ガスコンロが点かない原因
本項目では、ガスコンロが点かない原因について紹介します。
ガスの点火に必要な電池が切れている
基本的にガスコンロには電池が用いられます。ガスコンロには点火プラグというものがあり、スイッチを入れることで点火プラグに火花が生じ、ガスから点火できます。この点火プラグには電池の力が欠かせません。
点火できない状態は、電池の残量が少ないか、中身が全くない状態を意味しており、電池の交換をするだけで簡単に改善します。電池は安全装置を動かすのにも使われるため、電池を定期的に交換することが必要です。
ガスの元栓が閉まっている
ガスコンロ自体に何ら故障がなくても、ガスコンロが点かないことが起こり得ます。それはガスの元栓が閉まっている時です。ガスが流れてこない以上、どれだけ火花を出したところで点火のしようがありません。
ガスの元栓を閉めること自体は悪いことではなく、外出時に常に元栓を閉めることで火事を防げます。ついつい開けるのを忘れてしまうと、ガスコンロが点かず、「もしかして故障?」と勘違いしてしまうことがあります。
ガスコンロに汚れや水分が付着している
ガスコンロの多くは2口・3口と複数ありますが、時に1口だけしかガスコンロが点かないというケースが起こり得るのです。その理由はバーナーキャップなどに汚れや水分が付着してしまい、うまくガスに引火しないためです。また水分などがついてしまうと、不完全燃焼を避けるためにガス自体の供給がとまることがあります。
いわば危険防止のためにガスが流れ込まなくなり、点火しなくなるため、ガスの元栓を閉めた状態で汚れや水分などを取り除き、再び利用してみましょう。
バーナーキャップがズレている
バーナーキャップの目的はガスと空気の調整で、上手く調整ができないと点火しません。バーナーキャップがズレると調整が失敗しやすく、点火しにくくなります。バーナーキャップは点火プラグと連動しているため、バーナーキャップの爪と点火プラグを合わせることで上手く機能しやすくなるでしょう。
バーナーキャップのズレはガスコンロの掃除を行った後に生じやすいため、戻す際に正しく装着しているかを確かめることがおすすめです。
ガスコンロが点かないことで想定されるトラブル
本項目では、ガスコンロが点かないことで想定されるトラブルについて紹介します。
ガス漏れが起きている
ガスコンロが点かない場合、ガス漏れが起きている可能性があります。ガスホースがねじれていたり、ふさがっていたりするとガスがうまく出てきません。仮に損傷していると、損傷部分からガスが漏れており、ガス爆発を起こすことも考えられます。
電池交換やバーナーキャップの確認などはガスの元栓を閉めた状態で行うことがおすすめであり、それでもなおガスコンロが点かない場合には何らかのトラブルが想定されるため、再びガスの元栓を閉めた上で専門業者に依頼を行うことが確実です。
火がたびたび消える
ガスコンロを使っている最中、まだ料理の途中なのに火がたびたび消えることがあります。この場合も、バーナーキャップの汚れなどで危険防止のために安全装置が作動してしまうケースが考えられます。
たびたび火が止まればその都度対処をしなくてはいけなくなるでしょう。火がたびたび消えることはバーナーキャップの汚れなどが想定され、次にご紹介する一酸化炭素中毒の可能性にも直結します。
一酸化炭素中毒の可能性
ガスコンロがうまく点かないことで結果として一酸化炭素中毒になってしまうことがあります。ガスコンロで不完全燃焼が起きると、一酸化炭素が生じやすく、換気がうまくいかないと一酸化炭素中毒になり、最悪の場合は亡くなることもあります。
不完全燃焼はバーナーキャップの汚れなどで起こりやすいため、掃除を怠ればどこでも起こり得ると言えるでしょう。ガスコンロがなかなか点かない場合、バーナーキャップの汚れなどが原因であれば、最悪の事態につながっていくため、注意が必要です。
ガスコンロが点かない時の対処方法
本項目では、ガスコンロが点かない時の対処方法について解説します。
電池を交換する
何度点火しようとしても点かない場合には電池交換が必要です。電池を用いるガスコンロでは電池切れランプなどが搭載されており、電池切れであることを教えてくれるものが少なくありません。電池切れランプがついている場合には電池交換のサインなので、速やかに交換しましょう。
アルカリ電池を用いた場合、使用頻度にもよりますが、およそ1年程度で使い切るとされており、1年ごとに交換していくのがおすすめです。
バーナーキャップの汚れや水分をとる
バーナーキャップに汚れや水分が付着していると、安全装置が作動し、点火しなくなります。最近のガスコンロは安全センサーが必ず搭載されているため、水分が付着した状態では火が点きません。
ガスの元栓を閉め、冷えていることを確認した状態で汚れや水分を取り除き、再び点火しましょう。
部品を正しく装着する
バーナーキャップの汚れや水分を取り除くなどして部品を取り外し、再度装着した後に使用すると、うまく点火しないことがあります。これは部品が正しく装着されていないために、安全装置が作動しているためです。
電池以外の理由でガスコンロが点かない場合、一旦バーナーキャップの汚れなどを取り除いた上で説明書を読みながら正しい場所に装着することをおすすめします。それでもなおガスコンロが点かない場合には故障している可能性が高いので、専門業者を呼ぶのがおすすめです。
ガスコンロが点かない時に自分でできる解決策
本項目では、ガスコンロが点かない時に自分でできる解決策について解説します。
チャイルドロックやメーターの安全装置を確認する
ガスコンロにはさまざまな安全装置がついており、事故を未然に防いでいます。そのうちの1つがチャイルドロックです。子供がうっかり触って点火することがないようにロックをかけられます。何らかの理由でロックがかかっていると、点火するのに四苦八苦してしまいます。
他にも、地震によってガスメーターの安全装置が作動した場合、メーター側で復帰の作業をしないとガスは出てきません。安全装置が作動していないかを確認することも必要です。
点火しにくくなった時点で電池交換を行う
いきなり電池切れになる可能性は低く、段々と電池の残量が減り、次第に点火しにくくなっていくのが一般的です。
点火しにくくなり、何度かチャレンジして点く場合には電池残量が少ないケースが考えられます。最後まで使い切るのもいいですが、前もって電池交換を行っておくのが確実です。
日ごろからガスコンロの掃除を行う
バーナーキャップの汚れなどで点火しなくなるのもよくあることです。そのため、日ごろから掃除を行っておくのがおすすめであり、掃除直後に利用する際には水分をしっかりとふき取っておくことが求められます。
ガスコンロの掃除を怠ると故障の原因につながりやすく、予期せぬトラブルにもなりかねません。きれいな状態を保つためにも定期的な掃除が必要です。
ガスコンロが点かない場合に行うべき交換にかかる費用
ガスコンロの故障などで点かない場合には交換を行います。ガスコンロの交換はさまざまなケースが想定され、故障している部分だけを交換するか、ガスコンロすべてを交換するかの2つが一般的です。
ガスコンロ本体はベーシックなものでも50,000円程度するほか、高機能になればなるほど金額が上がり、100,000円を軽く超えます。加えて、ガスコンロの設置費用にもお金がかかり、一式の交換で場合によっては200,000円を超えるほか、お金をかけないケースでも100,000円程度はかかる計算です。
一方、故障しているところだけを交換するほうが値段は安くなり、20,000円程度からできます。また交換せずに修理のみであれば10,000円程度で済むケースもあります。
ガスコンロの寿命
ガスコンロの寿命は、おおむね10年前後とされ、10年使い続ける中で何らかの故障や使いにくさなどが生じやすくなる場合があります。また長年使い続けることで、経年劣化からうまく安全装置が作動しない可能性もあるでしょう。
ゆえにガスコンロは10年をベースに交換するのがおすすめです。まだ使えるからとついつい使いたくなるものですが、何かしらのトラブルが起きてからでは遅いので、早めの交換がおすすめです。
まとめ
ガスコンロの火が点かないトラブルは比較的起こりやすいですが、単純な理由から結構深刻な理由までさまざまです。ガスを扱うからこそ、まずは元栓を閉めた状態で色々確かめましょう。その上で電池交換やバーナーキャップの汚れや水分を取り除くといった作業を行っていくことをおすすめします。
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