給湯器の寿命や耐用年数の目安とは?交換時期や交換を判断するサイン・タイミングについて解説!
この記事の監修者
有限会社安田製作所 代表取締役
東都住設協同組合 代表理事
安田 篤司
保有資格
- 建設業関連 監理技術者
- 管工事全般 1級管工事施工管理技士
-
ガス関連
ガス消費機器設置工事監督者
ガス可とう管接続工事監督者
日本ガス協会内管工事士 -
水まわり関連
給水装置工事主任技術者
排水設備工事責任技術者 - 電気関連 第二種電気工事士
炊事洗濯、お風呂などさまざまな場面で頼りになるのが給湯器です。給湯器なしに生活するのは難しいくらい、私たちの暮らしに密接にかかわる存在と言えます。そんな給湯器ですが、寿命・耐用年数が存在しています。
本記事では、給湯器の寿命・耐用年数に着目し、交換時期や判断するサイン、寿命を延ばす使用方法などをまとめました。
給湯器の寿命・耐用年数は?
給湯器は購入してからどれくらいの年数で寿命を迎えるのか、気になる方も多いのではないでしょうか。本項目では給湯器の寿命・耐用年数についてまとめました。
寿命はだいたい10年程度
給湯器の寿命はだいたい10年程度とされています。給湯器には電気やガス、エコキュートなどがありますが、いずれの給湯器もだいたい10年前後が耐用年数、寿命です。
10年を過ぎたらすぐに壊れるわけではなく、20年程度何の問題もなく利用し続けられるケースもあります。一方で、数年程度で故障してしまうケースもあるため、必ずしも10年は絶対に寿命が尽きないわけではありません。給湯器の平均寿命はだいたい10年程度ということになるでしょう。
給湯器を30年ほど使用するケースも
だいたいの寿命が10年程度の中、30年間給湯器を使い続けて何の問題もないケースもあります。給湯器が長持ちする要因としては、電気温水器のように仕組みがシンプルゆえに故障がさほど起きないことが考えられます。
ただし電気温水器に関しても本来の寿命は10年です。乱暴な使い方をせず、丁寧に使ったからこそ他の給湯器に比べて長持ちをしたと言えますが、基本的には耐用年数を過ぎたら交換を検討することをおすすめします。
給湯器の寿命にもかかわる交換を判断するサイン
耐用年数である10年を過ぎたから交換するという判断もいいですが、交換した方がいいのではないかと思わせるサインもあります。
- お湯が出にくくなった
- 給湯器から出る音が変わった
- お湯の温度が不安定になった
ここからは上記のサインについて解説します。
お湯が出にくくなった
給湯器が寿命を迎える、もしくは不具合が生じ始めると、お湯が出にくくなる場合があります。給湯器内の部品が壊れてしまい、給湯器内で水漏れが生じ、お湯が出にくくなると言うのが理由です。
お湯が出にくくなっているのに水道代などがかかるといった場合は水漏れの可能性が高いと言えます。この場合は耐用年数の10年に到達していなくても交換がおすすめです。
給湯器から出る音が変わった
給湯器を動かす際に、給湯器から聞こえる音が変わることがあります。ガス給湯器はガスに着火させて燃やし、お湯を温める仕組みですが、この仕組みがうまくいかない場合に大きな音が出てしまう場合があるのです。
今まで使ってきた時とは違う音が出てきた場合には、何らかの不具合が起きている可能性が考えられるため、点検などをしてもらい、状況を確かめましょう。
お湯の温度が不安定になった
給湯器を使う中でお湯の温度が不安定になることがあります。給湯器の中には一定の温度を保ち続けた形で利用できるものが少なくありません。にもかかわらず、明らかにぬるい、もしくは熱い場合には温度の調整が難しくなった要因が考えられます。
お湯が出ていると、多少の温度変化は外が寒かったから、暑かったからと考えがちですが、実際は給湯器に不具合が起きている可能性があるため、注意が必要です。
給湯器の寿命を迎える前に交換するタイミングは?
給湯器の寿命はおよそ10年程度ですが、耐用年数を迎える前に交換するケースも存在します。
- オール電化への切り替え
- 補助金を使って交換する
本項目では、上記の内容についてまとめました。
オール電化への切り替え
今までガス給湯器を使っていた世帯を中心に、オール電化への切り替えを行う際にガス給湯器から電気給湯器に交換するケースがあります。例えば、太陽光発電を導入してオール電化に切り替えた場合、今までかかっていた電気代はかなり削減できるため、費用対効果が高いでしょう。
今まで使っていたガスが使えなくなるため、たとえ耐用年数を過ぎていないとしても電気給湯器への交換を余儀なくされます。
補助金を使って交換する
給湯器を購入する際に補助金が使えるうちに購入した方が断然お得です。「給湯省エネ2024事業」では、「給湯省エネ事業者」と契約し、高性能な給湯器を導入することで補助金の対象となります。
補助額は1台につき8〜18万円をベースに、より性能の高いものであれば2〜4万円が上乗せされるほか、電気温水器を撤去する工事に関しても補助金がプラスされます。参照:資源エネルギー庁
補助金の事業は予算があるため、タイミング次第では予算の上限に達して終わるため、終わる前に交換を済ませることは賢い判断と言えるでしょう。
給湯器の寿命を縮める間違った使用方法
給湯器は正しく使うことで耐用年数まで確実に利用できるでしょう。裏を返せば、間違った使用方法だと給湯器の寿命を縮めることになります。
- 温度設定が低すぎもしくは高すぎ
- 給湯器のメンテナンスを怠っている
- たくさんのお湯を使い過ぎる
給湯器のメンテナンスを怠っている
給湯器は日々のメンテナンスによって長く使い続けることができます。逆に、メンテナンスを怠ってしまうと故障を誘発し、寿命を縮めることになるでしょう。例えば、給気口・排気口に汚れがたまっていると、不完全燃焼が生じる可能性が出てくるため、常に掃除を行う必要があります。
他にも異音がする、異臭がするといった形で給湯器が正しく動作しているかの確認をしないまま、放置していると不具合を見抜けず、ある日突然動かなくなることも考えられます。そのため、常に異常がないかを確認することも長く使い続けるという点で大事です。
たくさんのお湯を使い過ぎる
給湯器は使う頻度が多ければ、稼働している分、劣化も起こりやすくなります。特に多くのお湯を常に使うケースではフル稼働の状態となるため、耐用年数を待たずに不具合が起こりやすくなると言えるでしょう。
JISでは給湯器の標準使用条件を定めており、お風呂やシャワー、台所などで1日1時間かつ456リットルの使用を想定しています。4人家族・気温20度などの条件もあります。要するに普通に使う分には10年持つものの、大家族や寒冷地といった条件だと、寿命に変化が生じるのです。
大家族が多くのお湯を用いるようなケースでは想定以上の環境で用いることになります。耐用年数まで持たないのはある意味で納得と言えるでしょう。
給湯器の寿命を延ばす使用方法
給湯器の寿命を延ばすには、JISが定めた標準使用条件を遵守した形で使用するのが確実です。1日1時間かつ456リットル以下であれば、気温や湿度によるものの、耐用年数に準じた年数は利用できます。
多少使い過ぎたとしても、家族で旅行に出かけたり、田舎に帰省したりして全く給湯器を使わない日もあることから、普通に使う分には平均的な利用が続くことでしょう。つまり、標準的な利用をし続けることが重要と言えます。
その上で日々のメンテナンス、掃除を行うことが大事です。そして、ちょっとした異変を見つけたら点検をしてもらい、状態を確かめていけば、少なくとも耐用年数の10年、場合によってはそれを上回る形で使い続けられるでしょう。
給湯器が寿命を迎えたらすぐに交換を!
給湯器が寿命を迎えた場合には、すぐに交換することをおすすめします。
耐用年数が過ぎ、異音などが目立ち始めた段階で、いつガス漏れなどのトラブルが起きてもおかしくなく、交換を検討しましょう。近年出ている給湯器は性能が増しており、交換するメリットは十分にあります。いい性能の給湯器であれば補助金も出るため、耐用年数を迎えたタイミングで補助金を使って交換を目指すのもおすすめです。
まとめ
給湯器の寿命はおよそ10年ですが、使用頻度や条件によって変動することがあります。普通の気候で、1日1時間・456リットルの利用を想定した結果が10年の寿命です。
使用頻度が他の家庭よりも多い、寒冷地で給湯器を用いているなどのケースでは、早めの交換を目指すのがおすすめです。
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